cont-betting

ここ15年間のポーカーシーンを見ていた人であれば、「コンテニュエーションベット」という用語は
よく知っているでしょうし、CBを打つ機会があれば打つのは「スタンダード」であるということも
知っているでしょう。何故なら、もしあなたがベットしてリードすることができないのであれば、
ポーカーで勝つことはとても難しいからです。

CBというのは考えも無しに学んでしまうくらい初歩的なプレイですが、盲目的に100%の頻度でCBを
打ってしまう前に、いくつかの重要な点について考慮しなければなりません。

このトピックはかなり複雑であるため、理解しやすいように記事を3つのセクションに分けます。

今回は、あなたのポーカー知識にいくつかの専門用語が加わることになると思います。
たとえあなたがまだプロのようにプレイは出来ないとしても、プロのように話すことはできるように
なるでしょう!(これは私にも言えることですね

記事ではCBを打つべき数学的根拠を説明し、プレイについての一般的なアドバイスもしたいと思います。
しかし、まずは、用語の定義を学びましょう。

コンテニュエーションベット(CB)とは、一つ前のストリートでアグレッションを持ったプレイヤーが、
引き続きベットを行うことです。ここで主に扱うのはフロップCB、つまりプリフロップでレイズをした
プレイヤーがフロップで最初に打つベットですが、ターンCB、リバーCBというものも存在します。


あなたのフロップでのハンドが完全にエアなのか、不動のナッツなのかは関係ありません。
もしあなたがプリフロップレイザーで、フロップで最初のベットをしたのなら、あなたはCBを
打った、ということになります。

例:
Hero-MPがオープンレイズし、BBにコールされた。
フロップでBBはチェックし、Heroはベットした。これがコンテニュエーションベットです。
Heroは最後の(そして唯一の)プリフロップレイザーだからです。もし相手がフロップで
チェックレイズをしたのなら、相手にイニシアチブが渡ることになります。そしてそのチェックレイズに
Heroがコールしたなら相手はターンでベットしてくることが多いでしょう。そのリードベットは、
相手がターンCBを打っているということになります。なぜなら相手は一つ前のストリートで
レイズした唯一のプレイヤーだからです。

もしアクションが少し異なり、BBがフロップでリードベットを打った場合、彼のベットは
「ドンクベット」と呼ばれ、これは相手のCBを打つ機会を消すものです。Heroはイニシアチブを
保ちたいのであればドンクベットにレイズするしかありません。
また、フロップでチェック-チェックで回り、Heroがターンでベットしたような場合は、
ディレイCBと言われます。

さて、次へ進む前に、この記事の理解を深めるために、もう少しばかりポーカー用語の解説をしましょう。

ショウダウンエクイティ
ショウダウン時にベストハンドを持っている確率のこと。大抵%表記で表され、これがあなたの
「勝つ確率」です。例えば、もしプリフロップでAAvsKKのオールインになれば、AAは82%のエクイティを
持っています。


ショウダウンバリュー(SDV)
ハンドの強さを相対的に表す用語。ミドルペアのような中程度のハンドの評価に良く使われ、
「マージナルなショウダウンバリューがある」というように、ショウダウンである程度勝てるハンドの
ことを指す。


フォールドエクイティ(FE)
ベットに対して相手がどれくらいフォールドするかの推測。(セミ)ブラフをするときによく使われ、
ベットが+EVのベットになるためには相手がどれくらいの確率でフォールドすればよいか、というような
使い方をします。EV計算では、FEは%で表されるか、0~1の数字で表されます。


CBがとてもポピュラーなものになった理由は、(一般的には)有利なアクションであるからです。
これは、+EVであるとも言えます。
CBが利益的である主な理由は、-ほとんどの場合-相手がフロップをミスしているからです。
つまり、CBにフォールドするということです。
ペアでない2枚のカードで、フロップでペアが出来る確率というのは約30%です。
単なる2オーバーやガットショットも含めれば、ドローはそこそこのハンドでできるでしょう。
しかし、トムドワンが言ったように、「ホールデムでペアを作るのは難しい」のです。
ここから導き出せる結論は、「ペアもドローもないときにCBにコールするのは難しい」ということです。
相手が大抵ペアもドローもないのであれば、そこでCBを打つことは、即座にポットを勝ち取れる、
ということを意味します。

CBが+EVであるということは、賢い小学生でも解けるような数式で証明できます。
しかし多くの人は数学に恐怖すら覚えていると思うので、簡単に言葉で表してみたいと思います。
そしてそこに数字を当てはめてみてください。以下の例では、CBは完全にエアである場合です。

EV = (あなたの勝つ金額 x 相手の降りる頻度) - (あなたの負ける金額 x 相手がコール/レイズする頻度)

これをもう少しポーカー用語のレベルに落としこんでみましょう。

EV = (ポットサイズ x FE) - (ベットサイズ x (1 - FE ))

ブレイクイーブンポイント(EV+-0の点)を見つけるために、EV = 0に設定します。
そしてこの数式を解いて求められるFEを出してみましょう。

(pot * FE) - (bet * (1 - FE)) = 0
→ FE = bet / (pot + bet)

これはつまり、求められるFEは、ベットサイズをポットサイズ+ベットサイズ(ベット後の総ポットサイズ)
で割ったものであるということです。


これを2NLでの実例に当てはめてみましょう。
あなたがSBで6セントオープンし、BBがコールしました。ポットは12セントです。
もしあなたが50%ポットサイズのブラフを打った場合、12セントのポットに6セント打ったことになります。
ここでブレイクイーブンとなるフォールドエクイティは6/(12+6)=6/18=1/3=0.33となります。

わかりやすく言葉で言えば、ハーフポットブラフを打った場合、相手が3回に1回は降りてくれれば
EV+-0になるということです。まだうまく想像できなければ、12cのポットに6cのベットをする状況を
3回分考えてみましょう。1回は相手が降りて12cの利益、2回は相手が降りずに6cの損失、合計収支は0です。
もし相手は1/3以上にフォールドしてくれるのであれば、長期的に利益が出るということです。
もしもっと大きいベットサイズでブラフするなら、相手が降りる確率がもっと必要になります。
よく使われるベットサイズについて一覧にしました。

もし100%ポットサイズでベットするなら、相手が50%以上フォールドする必要がある。
もし75%ポットサイズでベットするなら、相手が42.85%以上フォールドする必要がある。
もし60%ポットサイズでベットするなら、相手が37.5%以上フォールドする必要がある。
もし50%ポットサイズでベットするなら、相手が33%以上フォールドする必要がある。


ビッグブラフは相手がそれだけ多くフォールドしてくれる必要がある。
ベットサイズが小さければ相手のフォールドする頻度も低くて良い


トラッキングソフトを使っている人は、ここで言及していることを既に見ていると思います。
FEの数値は「Fold to Cbet」の数値としてHUDスタッツに蓄積されているでしょう。
これを見れば、あなたは、自分も含む多くのプレイヤーがCBに対して45-65%程度フォールド
していることがわかるでしょう。これがCBが即座に利益となる理由です。
私は、弱いハンドを持っていたとしても、50-65%の確率でCBを打ちます。
もしあなたが60%ポットサイズのベットをするのであれば、必要な相手の降りる確率はたったの37.5%で
いいのです。しかし、多くの相手は実際にはそれ以上フォールドするのです!

つまり、数学的には、相手が37.5%以上フォールドするのであれば、60%ポットサイズのベットは
利益になるということです。しかしこれは100%の頻度でCBを打てという意味ではありません。
相手がそのような高頻度でフォールドしてくれるのであれば、全部のフロップでCBを打つことは
+EVでしょう。しかし、CB成功率に影響を与えるいくつかの要因を考慮することで、あなたは
利益を最大化することができます

長期的には、相手はフロップで50%以上はフォールドするでしょうが、フロップは毎回同じでは
ありません。ある状況ではフォールドエクイティはとても高いでしょうし、その場合はブラフすることは
とてもいい考えです。また、フォールドエクイティが低い状況では、ブラフはやめたほうがいいでしょう。
とくに2NLでは下手なコーリングステーションがとても多いので、マルチウェイの状況でエアハンドで
CBを打つことは大抵の場合間違ったプレイです。最低でも1人はフロップと何かしらマッチしたハンドを
持っており、コールしてくるでしょう。

フォーラムなどでよくある質問に、「どれくらいの頻度でCBを打てばいいか?」というものがあります。
これについて簡単な答えはありません。2NLのフルリングでは、50~75%が最も利益的であるとは思いますが、
これは相手がどれくらいルースか(タイトか)や、テーブルにどれくらいの数のコーリングステーションが
いるかに依存するものです。
もしあなたがニットであれば、CBを打つ頻度は高まるでしょう。何故なら、平均よりも強いレンジで
フロップを見に行くことになり、それであればバリューベットを打てる状況が増えるからです。
15/10のようなTAGスタイルでプレイしているのなら、CB率は65%前後が最適でしょう。
これより高いのであれば、取れるポットの数は多くなるでしょうが、それは必ずしも稼げるお金の額が
多くなることとイコールではありません。これより低いのも、パッシブすぎる可能性があります。
2NLではコーリングステーションが多いのは事実ですが、スポットによってはCBを打たないことが
かなりのミスになる場合もあるので、相手に無料でまくり目を与えることはないようにしましょう。

CBに適したスポットを選択することは、あなたが考えるよりもかなり複雑なものです。
判断根拠の第一は、あなたのハンドがどれくらいボードにコネクトしているかです。
このシリーズのパート3を思い出してみてください。ベットする理由を2つ書きました。

1.バリューとして
こちらに負けているメイドハンドやドローなどにコールしてもらう。
こちらが勝っているであろう状況でバリュータウンに向かう。
2.ブラフとして
ショウダウンで勝つことが難しいが、ブラフで相手のこちらに勝っているハンドをおろせる場合。

これ以外の種類の「第3の」CBもありますが、それには私の知る限り、「バリューベット」や「ブラフ」など、
単純にわかり易い名前はありません。そのベットは、おそらく自分が勝っているであろう状況だが、
ショウダウンバリューがマージナルであるためベットに対してコールはされたくないというものです。
このベットの目的は、こちらに対してまだ負けているが、良いエクイティを持つハンドを降ろすための
ベットです。多くのCBスポットでは、我々は相手がフォールドしてエクイティを捨ててくれることを
望みます。それは、即座にポットを取ってデッドマネーを得ることができるからです。

自分はこのようなベットを「デッドマネー取得」/「エクイティ破壊」ベットと呼んで説明します

2NLでは、基本的にフロップでトップペア以上なら、常にバリューCBを打てると思います。
これは明確にバリューベットです。なぜなら、相手はそれより弱いハンドでコールしてくるからです。
高いステークスでは、デセプションがより重要となってきます(これがハイステークスポーカーで
ジョニーチャンがTPTKをウェットボードで2ストリートでチェックする理由です)。
しかし2NLでは、スロープレイはバリューを逃すことになり、のちのストリートで複雑な状況になります。
実際、RolandGTXと私のハンドヒストリーを見ながら議論ましたが、もしフロップで運良くフルハウスや、
クアッズをヒットしたような場合でも、フロップでCBを打つのが+EVであると思います。なぜなら、
あなたがCBを打つと、相手はあなたがこのような強いハンドを持っていると思わないからです。
また、フロップで8アウツ以上の強いドローをヒットした場合も、ほとんどの状況でCBを打つことを
おすすめします。セミブラフとして、ターンやリバーでナッツを作った場合のためにポットを大きくし、
ベットの段階で即座にポットを取ることもできます。
また、6アウツ程度の、2オーバーのようなドローハンドでもCBを打っていいですし、ガットショット
ドローくらいでもベットしても構いません。

トップペアでなく、セカンドペア以下のペアができた場合にはどうすればいいでしょうか。
これをどう扱うかは、ボードと相手のレンジを比較して、そのハンドが相対的にどれくらいの強さ
なのか、SDV(ショウダウンバリュー)があるのか、という判断に依存します。
私は、ボトムペアやアンダーペアは、「エア」として扱い、ターンでブラフに変える場合もあります。
例えばAJ7フロップでの33などは、SDVはないと言ってもいいでしょう。5枚目までボードがめくれても、
このハンドが相手に勝つには2アウツしかないからです。この状況では私はCBを打つことが多く、
相手が降りれくれることを期待します。33で相手の66を降ろすことができればとても素晴らしいですし、
それゆえここでのベットはほぼピュアブラフ(相手の強いハンドを降ろす)となります。
時には、相手が降りた時に98sを見せるなどして、「ベストハンドをブラフに変えた」、つまりこちらが
勝っているのに相手をおろしてしまった、ということがわかってしまう場合があるかもしれません。

ベットする理由というのはバリューか、もしくはブラフかの2つではあるけれども、
多くのCBスポットでの狙いは、相手のエクイティがあるハンドをフォールドさせ、
デッドマネーを得ることです。

だから、AJ7のボードでは、33は98sに勝っていますが、ショウダウンまで行った場合に
ガットショットをヒットさせたりペアが出来たりして98sが33をまくる可能性は47%あります。
それをもしベットして相手をフォールドさせることができれば、チェックダウンするよりもベットが+EVなのです。
似たような状況として、あなたがAQを持っていてボードがK72、相手がJTsを持っている場合を考えましょう。
あなたは現状ではベストハンドを持っていて、エクイティも73%あります。
しかし、ここれ打つCBをバリューベットとは思わないでしょうし、相手にコールされたくないと思うでしょう。
ここでのCBは、相手が持っている27%のエクイティを捨てさせ、ポットを取るためのものです。
相手が27%のエクイティをベット1発で捨ててくれるなら、素晴らしい結果です。
以下のことを常に忘れないようにしてください。
あなたは時にバリューCBを打ち、時にブラフCBを打ちます。
そしてまた、時にデッドマネー(ポット)を得るためにCBを打ちます。


さて、フロップと強く結びついた場合(トップペアや強いドロー)に、バリューのためにベットを打つのは、
とても素直なプレイです。CBについての記事の残りのほとんどは、あなたのハンドの強さが
フロップでは明確に分からない状況についてです。以下にブラフCBを打つ場合のチェックリストをつけるので、
目を通しておいてください。

以下のような状況では、ブラフCBを打ちやすい

・ヘッズアップ
・IPのあなたまでチェックで回ってきた
・ハンドが弱く、SDVがかなり低い
・相手がフォールドボタンを持っている(コーリングステーションではない)
・ボードがあなたのレンジにヒットしていて、相手のレンジにはヒットしておらず、
 フォールドエクイティが高い


以下のような状況では、ブラフCBを打ちにくい

・マルチウェイポット
・OOPである
・ある程度のSDVがあるマージナルなハンドを持っている
・相手がフローターもしくはコーリングステーションである
・ボードがあなたのレンジにヒットしておらず、相手のレンジにヒットしていて、
 フォールドエクイティが低い


このチェックリストを確認し、ブラフCBを打つのに適しているかそうでないかを確認しましょう。

ヘッズアップでのCB成功率がマルチウェイよりなぜ高いのかは明白です。ヘッズアップでは、
あなたは相手を一人だけフォールドさせればいいからです。マルチウェイポットでは、誰かのハンドが
フロップと絡みついている可能性は高いでしょう。

OOPよりIPのCB成功率が高い理由は、相手によっては、ハンドが良いと反射的に
ドンクベットを打ってくるようなことがあるからです。
このようなドンクベッターがチェックしてきたということは、何ももっておらず、CBに降りることを意味します。
もしCBがコールされた場合でも、IPであることは有利に働きます。なぜならあなたは後のストリートで
ポットコントロールができるからです。

OOPであることのもう一つの問題点は、相手がフロートを試みるために、機械的に一発目のベットを
コールする場合があることです。フローターはターンであなたが諦めることを願い、IPであることを活かし、
ポットをスチールするためにフロップをコールします。
ですので、あなたはOOPの時にはCBを極端な高頻度で打つのを控えるべきです。
状況を注意深く見積もり、幾つものファクターを考え、CBを成功させるためのプランを考えましょう。

時には、ベットするかわりに、チェックコールのラインも取り、チェックバックされてフリーカードを得て、
ディレイCBを打つのもよいでしょう。また、損失を最小限にするために、単にギブアップすることも必要です。
マージナルなSDVがあるハンドは、私はたいていIPではチェックバックして、OOPではチェックコールします。
また、ミドルペアのようなハンドでは、複数のストリートではベットをしたくありません。出来る限り安く
ショウダウンに持ち込みたいからです。

なお、チェックするからといって、必ずしもギブアップするわけではありません。
実際、フロップでベットしないことにより、後のストリートで相手をバリュータウンに導くことも出来るのです。
なぜなら、相手はこっちが消極的なプレイを弱さの現れと見てブラフをしたり、こちらのハンドを弱く見積もって、
ターンやリバーのバリューベットをコールしてくれることがあるからです。

CBの成功率を上げるために最も難しい部分は、ボードテクスチャの評価、つまり、レンジがボードと
どれだけ絡んでいるかを見積もることです。これについての記事はこれまでのシリーズ全体、そして
今後の記事でもとりあげる予定です。
その後には、典型的なフロップの状況を例に取り、なぜCBを打つ/打たないかの理由を解説する記事も
書きたいと思います。また、ベットサイズについても取り上げたいと思います。

元記事 The ABC of 2NL, part 13: The ABC of Continuation Betting, part A: Theory
https://www.pokerschoolonline.com/blogs/ArtySmokesPS/the-abc-of-2nl-part-13-the-abc-of-continuation-betting-part-a-theory

ポーカーの基礎はPokerStrategy.comで。